2024年12月5日
シュトルム神父がスイスから宣教師として来日されたのは1952年。藤沢町の大籠教会、奥州市の水沢教会を経て、二戸の教会へ。それからずっと、岩手の教会で生涯を遂げられた方です。現在、二戸にあったシュトルム神父様の教会は取り壊されてしまいましたが、当時の教会の写真が残されています。神父の赴任が決まった際、町ではこの古民家を、西洋式に改築して差し上げようと提案しました。ところが、「そんなお金をかける必要はない。私が、この家に合わせればいいのです。」ときっぱりと申し出を断られたのだそうです。そして、八畳間に祭壇を置き、日曜には、仕切りの襖を開け、ミサが行われました。自給自足に近い、清貧な暮しを貫かれた方でした。そんな神父様が、町の希少な植物などを描きためた植物図譜を、深沢紅子作品とともに、今回は展示しております。